根來 真嗣

emjmodという名前を聞いて、まず「スタック」や「エフェクト」といった、
独創的なシンバルを思い浮かべる方が多いかもしれません。
確かに、そういったシンバルはemjmodを語る上で欠かせない存在ですし、
とても魅力的なところであるのは間違いないのですが。
僕が惹かれているのは、むしろその“真逆”とも言える部分で。
延命寺さんが手がけるクラッシュ、ライド、ハイハットといった王道のシンバルたちにこそ、
emjmodの本質的な魅力があるように思っています。
サイズを超えた鳴りの良さは、バンドの中でも埋もれることなく存在感を放ってくれるので、
どんなジャンルでも使いやすく。
優しく触れたときには穏やかに、強く打ち込めば空間を切り裂くような力強さで応えてくれる。
そのとき自分が求めている音や感情に、自然に寄り添ってくれる感覚があります。
叩くたびに、自分自身と会話しているような感覚になれるのが、emjmodの素晴らしいところです。
そして、見た目の美しさはemjmodならでは。
ひと目見ただけで惹かれるような、独特の表情と存在感があります。
スタックや特殊加工に注目が集まりがちなemjmodですが、
こうした王道のラインナップにこそ、
延命寺さんの音に対するこだわりが色濃く現れているのではないでしょうか。
これからも、きっと長く付き合っていくシンバルになると思っています。
とはいえ特に書くこともないので、これぐらいでお願いします。
-Profile
根來 真嗣
洋楽インディー、オルタナティブ、シューゲイザー、パンクなど様々なジャンルを吸収し、
静と動を使い分けた楽曲を表現する大阪発4PロックバンドHue’sのドラマー。
CANOPUSエンドーサー。